毎年大みそかに放送される NHK紅白歌合戦は、単なる音楽番組ではありません。多くのアーティストにとっては「いつか出場したい」と憧れの舞台であり、視聴者にとっては「年越しの風物詩」として定着している存在です。
採用の現場でも、次のようなお声をうかがうことがあります。
「応募数はそれなりにあるのに、内定承諾まではなかなか届かない」
「いい方ほど、最終的には他社の内定を選ばれてしまう」
「求人票の表現を変えても、ここ数年は決定数が頭打ちになっている」
こうした状況の背景には、「選ぶ側」としての視点が強くなりすぎて、『候補者から見たときに、自社はどのような番組(=働く舞台)に見えているか』を丁寧に設計しきれていない、という課題が隠れていることが少なくありません。
よく考えてみると、紅白歌合戦は
アーティストから「出場したい」と思われる
視聴者から「観たい」と選ばれ続ける
という意味で、「選ばれる側」と「選ぶ側」の両方から支持されているブランドだと言えます。
採用の世界でも、企業は候補者を「選ぶ側」であると同時に、候補者から「選ばれる側」でもあります。
人口減少・採用難が進む中で、「選ぶ側」だけの感覚で採用を進めることは、次第に難しくなっています。
本記事では、紅白歌合戦の構造をヒントにしながら、
について整理しております。
なぜ紅白歌合戦は「出場したい番組」であり続けるのか?
まずは、紅白歌合戦と企業の採用活動の共通点を整理してみましょう。
比較項目 | 📺 紅白歌合戦(エンタメ界) | 🏢 企業の採用活動(ビジネス界) |
ターゲット | 全国民(視聴者・ファン) | 求職者(就活生・転職者) |
出演者 | アーティスト・歌手 | 社員・内定者 |
オファー | 出演依頼(NHK→歌手) | スカウト・内定(企業→候補者) |
辞退の理由 | 「方向性が違う」「メリットがない」「スケジュールの不一致」 | 「社風が合わない」「他社の方が魅力的」「条件(給与・働き方)の不一致」 |
出演のメリット | 知名度UP・箔がつく・ファン獲得(ブランド価値の享受) | キャリアUP・成長・報酬・働きがい(EVP:従業員への価値提案) |
成功のカギ | 演出力・企画力(その年ならではのテーマ性) | 採用ブランディング(自社ならではのストーリー発信) |
ゴール | 感動のフィナーレ・高視聴率 | 入社後の定着・活躍・組織貢献 |
このように並べてみると、採用担当者がやるべきことは「単に募集要項を出すこと」ではなく、「出演したくなる舞台(魅力的な会社)」を作り、それを正しく伝えることだと分かります。
売り手市場の今、求職者は数ある企業の中から「自分のキャリアというパフォーマンスを最大限に発揮できる舞台」をシビアに選んでいます。
「給与や待遇が良い」だけでは選ばれません。働き方、企業の文化、将来性を含めた「独自の提供価値」が明確でない企業は、どんなにオファーを出しても辞退されてしまうのです。
実際に、2025年の求人市場も「少子高齢化」や「働き方の多様化」により、ますます競争が激化すると予測されています。今後の市場動向については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▷ あわせて読みたい:
【2025年完全版】採用市場の動向と採用戦略|業界別・地域別・ターゲット別・採用手法を徹底解説
自社を「出場したい舞台」にする3つの採用ブランディング戦略
では、どうすれば自社を「選ばれる舞台」に変えることができるのでしょうか。紅白歌合戦の演出や取り組みから、具体的な3つのヒントを探ります。
「今年のテーマ」を明確にする(ビジョン・ストーリー)
紅白歌合戦には毎年、「歌でつなぐ」「カラフル」といった明確なテーマが設定されています。採用活動においても、「今年はどんな人材と、どんな未来を作りたいか」というビジョンが不可欠です。
単に「営業職 募集」とするのではなく、「今、入社することでどんな物語(ストーリー)に参加できるのか」を言語化しましょう。
私たちは採用のパートナーとして、単なる広告枠の提案だけではなく、貴社の事業課題や採用戦略そのものを共有し、「人」にまつわるあらゆる提案を行うことを大切にしています。まずは「なぜ今、人を採用するのか?」その根本的なメッセージを言語化することから始めましょう。
「舞台裏(バックステージ)」を見せる(リアルな発信)
近年、紅白歌合戦でも事前のドキュメンタリーや、練習風景の公開が人気です。完璧なステージだけでなく、そこに至るまでの「苦悩」や「努力」を見せることで、視聴者の応援したい気持ち(エンゲージメント)が高まります。
企業も同様に、綺麗なオフィスの写真だけでなく、「リアルな職場環境」や「社員の横顔」を見せる必要があります。
ここで有効なのが、SNSやGoogleマップ(MEO)の活用です。
例えば、弊社の新卒トータルサービス「ミラリク」では、InstagramやGoogleビジネスプロフィールを活用し、求人媒体だけでは伝えきれない「日々の職場の温度感」を発信することを推奨しています。
「この会社、面白そう」「中の人の雰囲気がいいな」と思わせる飾らない日常の発信こそが、候補者の信頼を勝ち取る最強のコンテンツになります。
3. 「演出(クリエイティブ)」にこだわる
最高のアーティストには、最高のステージセットが必要です。
これを採用に置き換えると、「採用サイト」や「求人票のデザイン」、そして「採用動画」にあたります。
特に「写真」は、求職者が最初に見る企業の顔です。プロに依頼するのがベストですが、ポイントさえ押さえれば自社でも魅力的な写真を撮ることは可能です。
▷ あわせて読みたい:応募数が2倍になる!?「いい求人写真」撮影のコツ
私たちは「ラブレターの代筆者」として、求人メディアの枠にとらわれず、パンフレット、採用サイト、採用動画、ブース装飾など、あらゆるクリエイティブツールを制作しています。
どれだけ素晴らしい理念があっても、それを伝える「クリエイティブの質」が低ければ、候補者の心には届きません。自社の魅力を正しく伝えるための投資は、採用コストを下げるための最短ルートでもあります。
【ケースイメージ】「番組づくり」を意識したことで変わったこと
ここで、紅白型の“番組づくり”の発想を取り入れたケースイメージを一つご紹介いたします。
【背景】
【取り組んだこと】
まず「この会社で働くことを一言でいうと?」という問いから、採用メッセージの軸を整理。採用サイト・求人票・面接時の説明資料に、そのメッセージを一貫して反映。
面接の冒頭で必ず、
【その後の変化】
面接段階で候補者から出る質問が、「条件面」だけでなく「役割」や「将来像」に関するものが増えた
採用後の振り返りで、「入社前にイメージしていたことと実際のギャップが小さかった」という声が増えた
同じ媒体・同じ予算の中でも、内定承諾率がじわじわと改善していった
いきなり応募数や内定数が劇的に増えたわけではありませんが、「来てほしい人から、きちんと選ばれる」という感覚が少しずつ育ってきた、というお話をうかがいました。
紅白歌合戦でいえば、「今年の紅白は、こういうテーマでこういう人たちに集まってほしい」という番組側のメッセージが明確なほど、出演者や視聴者とのズレが減っていくのと同じイメージでございます。
Q&A
Q1.紅白のような「年末の山場」の時期だけ、メッセージを整えても意味はありますか?
年末年始や決算期など、「応募が動きやすい時期」に合わせてメッセージを整えることは、短期的な打ち手として十分に意味がございます。
一方で、候補者が企業を知るきっかけは、求人媒体だけではなく、
コーポレートサイトや採用サイト
SNSや口コミサイト
既存社員や取引先から聞く評判
など、多岐にわたります。
そのため、特定の時期だけメッセージを整えるというよりも、
という形で、短期施策と中長期の取り組みを組み合わせていくのが現実的かと存じます。
Q2.中小企業でも、紅白のように「番組のテーマ」をつくることはできるのでしょうか?
はい、十分に可能でございます。むしろ、中小企業だからこそ、
意思決定のスピードが速い
代表や幹部の想いがダイレクトに反映されやすい
という強みを活かしやすい場面も多くございます。
例えば、次のような問いからテーマづくりを始めてみるケースが多いです。
「自社の仕事を一言で表すと、どのような一言になるか」
「この1〜2年で、組織として一番伸ばしたい力は何か」
「入社してほしい人に、“どんな未来”を一緒に描きたいか」
これらの問いに対する答えを、
求人票のタイトルやリード文
採用サイトのキービジュアルやキャッチコピー
面接の冒頭で伝えるメッセージ
に共通して反映していくことで、規模にかかわらず「自社らしい番組テーマ」を形づくっていくことができます。
まとめ:貴社だけの「紅白」を作るために
紅白歌合戦が時代に合わせて変化し続けているように、採用活動もアップデートが必要です。
「選ぶ側」から「選ばれる側」へ。この意識の転換こそが、採用成功への第一歩です。
自社の「テーマ(ビジョン)」を言語化する
SNSやMEO(ミラリク)で「リアルなストーリー」を発信する
魅力が伝わる「Webデザイン・クリエイティブ」を整える
今回は「紅白歌合戦」を例に挙げましたが、強い組織を作るためのヒントは、実は「メジャーリーグ」などのスポーツ界にも隠されています。多角的な視点で自社を見つめ直すことが、採用成功への近道です。
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「言われてみれば、うちはまだ『昭和の紅白』のままだったかもしれない...」
そう感じた担当者様、まずは現状の採用活動の「健康診断」から始めてみませんか?
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