「急に面接官を任されたけれど、何を話せばいいの?」「相手の何を見ればいいのかわからない…」そんな不安を感じていませんか?初めて面接を担当するときは、応募者以上に緊張してしまうものです。
この記事では、面接官としての基本的な役割から、当日のスムーズな進め方、評価のポイント、さらには避けるべきNG行動までを分かりやすく解説します。この記事を読めば、自信を持って面接に臨み、自社にぴったりの人材を見極められるようになりますよ。
本記事は採用マーケティングや求人広告運用の知見をもとに、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」などの公的機関の情報を参照しながら作成しています。
面接官が果たすべき2つの重要な役割
面接官の仕事は、単に応募者の話を聞くだけではありません。大きく分けて「見極め」と「アピール」という2つの重要な役割があります。これらを意識するだけで、面接の質は劇的に変わります。
応募者が自社に合うか「見極める」
1つ目の役割は、応募者が自社の求めるスキルや価値観を持っているか判断することです。具体的には、募集部署が必要とする知識があるか、会社の理念に共感できるか、そして長期的に活躍できるかを確認します。これらを引き出すためには、事前の準備が欠かせません。
自社の魅力を伝え「選んでもらう」
2つ目の役割は、応募者に「この会社で働きたい」と思わせるプレゼンターとしての役割です。優秀な人材ほど複数の企業から内定を得るため、自社の強みを正しく伝える必要があります。面接官の印象が会社の印象に直結することを忘れないようにしましょう。
相手の本音を引き出す雰囲気づくり
見極めとアピールの両方を成功させるには、応募者がリラックスして話せる環境を作ることが大切です。威圧的な態度は避け、対等なパートナーとして接することで、応募者の本当の素顔や意欲を知ることができ、ミスマッチの防止につながります。
事前準備で決まる!面接前のチェックリスト
面接の成功は、準備が8割といっても過言ではありません。当日になって慌てないよう、以下の3つのポイントを事前に整理しておきましょう。
採用要件と求める人物像の明確化
まずは「どんな人が欲しいのか」を言語化します。必要なスキルや経験だけでなく、「周囲と協力できるか」「自律的に動けるか」といったソフトスキルの基準も決めておきましょう。現在活躍している社員の共通点を洗い出すのが近道です。
面接の流れと役割分担の決定
面接の回数や、誰がどの部分を質問するかの役割分担を決めます。例えば、1次面接は現場担当者がスキルを、2次面接は役員が価値観を確認するといった流れです。複数人で担当する場合は、評価基準を統一しておくことが重要です。
応募書類の読み込みと質問準備
履歴書や職務経歴書を事前に読み込み、深掘りしたいポイントをメモしておきます。書類に書いてあることをなぞるだけの質問ではなく、その行動の背景や動機を聞けるような質問を準備しておくことで、限られた時間を有効に使えます。
準備項目 | 内容 |
ターゲット | 求める経験・スキル・人物像の特定 |
評価シート | 判定基準を数値化・言語化したもの |
質問リスト | 経験・志向性を探るための問い |
当日のスムーズな面接の流れ
面接は決まったステップで進めることで、聞き漏らしを防ぎ、応募者にも誠実な印象を与えられます。ここでは一般的な1時間の面接構成を例に解説します。
緊張をほぐすアイスブレイク
開始直後は、天気や来社方法などの軽い話題で応募者の緊張を解きましょう。緊張した状態では本来の力が出せず、正しい見極めができません。「今日は寒いですね」といった一言が、本音を引き出すきっかけになります。
会社説明と自己紹介による動機形成
面接官自身の自己紹介と、会社・仕事内容の説明を行います。応募者が持っている情報と実際の仕事にギャップがないかを確認する大切なプロセスです。ここで仕事の魅力をポジティブに伝えることが、入社意欲の向上につながります。
構造化された質問と逆質問
事前に用意した質問を軸に、対話を進めます。一通り質問が終わったら、必ず応募者からの質問(逆質問)を受け付けましょう。逆質問への回答は、会社の誠実さを見せるチャンスです。分からないことは後日回答する旨を伝え、曖昧な返答は避けましょう。
<面接の流れチェックリスト>
□ 5分:アイスブレイク・自己紹介
□ 10分:会社概要・業務説明
□ 35分:応募者への質問(深掘り)
□ 10分:逆質問・今後の案内
応募者の本質を見抜く具体的な質問例
何を質問すればいいか迷ったときは、以下のカテゴリー別に質問を用意してみましょう。回答の内容だけでなく、話し方や論理構成もチェックポイントになります。
経験とスキルを具体化する質問
「〇〇のプロジェクトで、あなたの役割は何でしたか?」「最も困難だったことと、それをどう乗り越えましたか?」など、具体的なエピソードを深掘りします。数値や期間を含めた回答を引き出すことで、スキルの再現性を確認できます。
価値観と人柄を知るための質問
「仕事において大切にしていることは何ですか?」「どんな時にやりがいを感じますか?」といった質問は、自社の社風に合うかを判断する材料になります。過去の挫折経験を聞くことで、ストレス耐性や立ち直る力(レジリエンス)も見えてきます。
入社意欲とキャリアビジョンを確認
「5年後、この会社でどんな存在になっていたいですか?」という質問で、本人の希望と会社が提供できる環境が一致しているかを確認します。他社の選考状況も併せて聞くことで、自社への志望度の高さや優先順位を把握できます。
要注意!面接官がやってはいけないNG行動
面接官は「会社の顔」です。無意識の振る舞いが、会社の評判を下げたり、法律に触れたりするリスクがあることを自覚しましょう。
高圧的な態度や不適切なマナー
腕組みをして話を聞く、スマホをいじりながら対応する、回答に対して説教をするといった態度は厳禁です。応募者は「この人と一緒に働きたくない」と感じ、内定辞退の最大の原因になります。常に敬意を持って接しましょう。
就職差別につながる不適切な質問
本籍地、家族構成、宗教、支持政党などは、厚生労働省の指針により「聞いてはいけない項目」とされています。良かれと思って聞いた「結婚の予定は?」といった質問もハラスメントと捉えられる可能性があるため、公的なルールを遵守しましょう。
オンライン面接での配慮不足
カメラ位置が低すぎて見下ろす形になったり、背景が散らかっていたりすると不潔な印象を与えます。また、ネット環境のトラブルで音声が途切れた際の連絡手段(電話など)を事前に共有しておくなど、細かな配慮が信頼感を生みます。
参考:厚生労働省:公正な採用選考の基本
よくある質問
Q. 面接で緊張している応募者をどうリラックスさせる?
A. まずは面接官から笑顔で挨拶し、自分の自己紹介を丁寧に行いましょう。座席の配置を対面ではなく90度の角度(L字)にするのも圧迫感を減らす効果があります。また、「緊張しますよね、私も初めての面接官で緊張しています」と共感を示すのも有効です。
Q. スキルの有無を短時間で見極めるコツは?
A. 「STAR手法」を用いて質問するのがおすすめです。Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の順に詳しく聞くことで、その人が偶然ではなく実力で成果を出したのかが明確になります。特に「具体的な数字」を答えてもらうようにしましょう。
Q. 応募者の「嘘」や「盛り」を見抜くには?
A. 回答に対して「なぜそうしたのですか?」「その時どう感じましたか?」と、理由や感情を3回ほど深掘り(ドリルダウン)してみてください。実際に経験していないことは、細かなディテールで矛盾が生じたり、回答が詰まったりするため、真偽を判断しやすくなります。
Q. 面接後に評価が割れた場合はどうすればいい?
A. 感覚的な「好き・嫌い」ではなく、事前に決めた「採用基準」に立ち返って議論しましょう。各評価項目を5段階で数値化しておく(面接評価シートの活用)と、客観的な比較が可能になります。どうしても迷う場合は、追加の面接やリファレンスチェックを検討してください。
まとめ
初めての面接官を成功させるためには、役割の理解、徹底した事前準備、そして誠実な当日の対応が欠かせません。
見極めとアピールの両立: 選ぶだけでなく選ばれる意識を持つ。
準備が8割: 採用要件の定義と応募書類の読み込みを徹底する。
NG行動の回避: 高圧的な態度や不適切な質問は法律・モラルに反する。
面接の評価基準や質問内容は、一度決めて終わりではなく、採用した人のその後の活躍状況を見ながら改善し続けることが重要です。数字やデータだけでは測れない「相性」もありますが、まずは基本の型を身につけることから始めましょう。
自社に最適な人材を確保するために、まずは面接の流れを整理し、評価シートを準備するところからお気軽にご相談ください。
【注釈・参考】
厚生労働省:公正な採用選考の基本
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html
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