「求人を出しても全く応募が来ない」そんな悩みを持つ経営者の方は多いはずです。2024年10月末時点の外国人労働者数は230万人を超え、過去最高を更新しました。もはや外国人の力なしでは日本の現場は回らないと言っても過言ではありません。
中でも「留学生」は、若くて意欲的な貴重な労働力です。しかし、2026年からは資格外活動の審査が厳格化されるなど、制度のアップデートも進んでいます。本記事では、最新の統計データや法規制をもとに、トラブルを防ぎながら優秀な留学生を採用するコツを分かりやすくお伝えします。
本記事は採用マーケティングの最新知見をもとに、厚生労働省や出入国在留管理庁の令和7・8年度の最新公表資料を参照して作成しています。
加速する外国人採用の現状とメリット
日本の労働力不足は深刻で、2024年の統計では外国人労働者数が前年から約25万人増加しました。
これは日本全体の就業者増加数の約6割を占める計算です。特にサービス業において、留学生は欠かせない存在となっています。
採用単価の抑制と応募数の向上
小売・飲食業界でのアルバイト採用コストは上昇を続けていますが、留学生をターゲットに加えることで劇的な改善が見込めます。
求人広告に「留学生活躍中」という文言を入れるだけで、応募効果が1.6倍に向上した事例もあり、1人あたりの採用コストを5万円以下に抑えることも十分可能です。
飲食・コンビニ業界での高い適応力
最新のアンケート(2025年12月調査)によると、留学生が従事するアルバイトの約40%が飲食業、33%がコンビニなどの小売業です。
彼らは接客を通じて日本語能力を高めたいという意欲が強く、日本のビジネス習慣にも比較的早く馴染む傾向があります。
将来の正社員(特定技能)への布石
アルバイトとして雇用していた留学生が卒業後、そのまま「特定技能」などの就労ビザへ切り替えて正社員として定着するケースが増えています。
2025年以降、特定技能の対象分野が自動車運送や鉄道などにも拡大されており、長期的な人材確保の戦略としても有効です。
【重要】2026年からの「資格外活動」厳格化
留学生のアルバイト(資格外活動)に関するルールは、2026年度から運用の厳格化が予定されています。
これまでは入国時に比較的スムーズに許可が下りていましたが、今後は学業の状況や経済状況がより細かくチェックされる方針です。
「週28時間」の算定方法に注意
改めて徹底したいのが「週28時間以内」のルールです。これは「月曜から日曜」という固定の1週間ではなく、「どの7日間を切り取っても28時間以内」である必要があります。
給与計算の締め日と混同して、特定の週だけ28時間を超えてしまうと、不法就労とみなされるリスクがあります。
ダブルワークの合算管理
留学生が複数の場所でアルバイトをしている場合、すべての勤務時間を合計して28時間以内に収めなければなりません。
「自社で20時間、他社で10時間」働いている場合、合計30時間となり、雇用主である貴社も管理責任を問われる可能性があります。採用時には必ず他社の勤務状況を確認してください。
2026年度からの審査プロセスの変化
政府は、不法就労の温床となる「偽装留学生」を防ぐため、資格外活動許可の際に学業成績や出席率をより重視する方針を示しています。
企業側としても、採用時に日本語学校や専門学校での出席状況を本人にヒアリングするなど、より慎重な選考が求められるようになります。
出入国在留管理庁:留学生の在留管理について
在留カード確認と不法就労リスクの回避
「在留カードを確認したつもり」が一番危険です。偽造カードの流通や期限切れを見落とすと、不法就労助長罪により「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」を科せられる恐れがあります。
目視だけでなくICチップの確認を
在留カードの偽造技術は年々巧妙化しています。現在はスマートフォンアプリでカードのICチップを読み取り、法務省のデータベースと照合できる仕組みがあります。
面接時にこの確認をルーチン化することで、リスクをほぼゼロにすることが可能です。
在留期限と更新手続きの管理
留学生の在留期限は1年〜2年程度と短いため、更新時期を忘れると大変なことになります。有効期限の3ヶ月前から更新手続きが可能です。
期限が切れた状態で1日でも働かせると違法になるため、管理表を用いて期限の2ヶ月前には本人へ督促する体制を作りましょう。
資格外活動許可の有無を確認
在留カードの裏面にある「資格外活動許可欄」を必ず確認してください。ここに「許可」のスタンプがない場合は、1時間たりとも働かせることはできません。
また、風俗営業(パチンコ店やゲームセンター、一部の深夜飲食店など)での勤務は禁止されている点にも注意が必要です。
確認ステップ | 確認内容 |
1. ICチップ照合 | アプリで偽造でないか確認 |
2. 裏面スタンプ | 「原則週28時間以内」の記載を確認 |
3. 期限管理 | 在留期限を控え、アラートを設定 |
不法就労のリスクを回避した採用活動を行いたい方はこちら
採用後の公的な手続きと環境整備
採用が決まったら、速やかに行政手続きを行いましょう。また、日本語の壁を越えて活躍してもらうための工夫も、早期離職を防ぐポイントです。
ハローワークへの雇用状況届出
外国人労働者を雇い入れた際は、雇用形態(アルバイト含む)に関わらず、ハローワークへの届け出が法律で義務付けられています。
届け出を怠ると30万円以下の罰金対象となります。現在はオンラインでの電子届出も可能なため、忘れずに手続きを行いましょう。
現場マニュアルの「ビジュアル化」
漢字が苦手な留学生でもミスなく動けるよう、マニュアルは写真や図解をメインにしましょう。
例えば「洗剤はこのラインまで入れる」といった指示を写真で掲示するだけで、教育コストは劇的に下がります。また、翻訳ツールを活用した多言語対応も効果的です。
最新の雇用管理チェックリスト
2026年の法改正動向を踏まえた、必須の管理項目です。
<外国人雇用チェックリスト>
□ 在留カード原本のICチップ照合
□ 裏面の資格外活動許可スタンプの確認
□ 複数バイトの有無と合計時間の確認
□ ハローワークへの雇用状況届出(入社翌月10日まで)
□ 学校の休暇期間カレンダーの入手(40時間勤務させる場合)
異文化理解とコミュニケーションのコツ
留学生が定着しない原因の多くは、業務内容よりも「コミュニケーションのすれ違い」にあります。日本の常識を押し付けず、歩み寄る姿勢が組織を強くします。
「ハイ」の言葉を過信しない
日本語がまだ不十分な留学生は、指示の意味がわからなくても「ハイ」と答えてしまうことがあります。
指示を出した後は「今、なんて言ったか説明してみて?」と聞き返す「バックトラッキング」を行い、正しく理解できているか確認しましょう。
宗教や行事への理解
例えばイスラム教徒のラマダン(断食)期間や、ベトナムのテト(旧正月)など、文化特有の行事があります。
これらを事前に把握し、シフトの調整などの配慮を示すことで、スタッフとの信頼関係が深まり、定着率が飛躍的に向上します。
成長を実感させるフィードバック
留学生の多くは「日本で何かを得たい」という強い向上心を持っています。
単なる労働力として扱うのではなく、「日本語が上手くなったね」「この作業が早くなったね」といった具体的な褒め言葉をかけることで、彼らのモチベーションは最大化されます。
よくある質問
Q. 2026年からの審査厳格化で、採用が難しくなりますか?
A. 学業をおろそかにしている学生の採用は難しくなる可能性があります。
出席率が低い学生は資格外活動許可が取り消されたり、更新ができなくなったりするリスクがあります。採用時に学校の出席状況を本人に確認することが、より重要になります。
Q. 留学生が夏休みの間に週40時間働くための条件は?
A. 学校が定めた「長期休業期間」である証明が必要です。
学生本人が「今は夏休みです」と言っても、学則で定められた期間外であれば週28時間制限が適用されます。必ず学校が発行する「学年暦(カレンダー)」の写しを提出してもらい、保管しておきましょう。
Q. 辞めた際にもハローワークへの届け出は必要ですか?
A. はい、離職時も届け出が必要です。
雇い入れ時と同様に、離職した翌日から起算して10日以内にハローワークへ届け出なければなりません。これを忘れると罰金の対象になるため、退職手続きの一部として組み込んでおきましょう。
Q. 留学生の日本語レベルはどれくらい必要ですか?
A. 職種によりますが、接客ならN3〜N2レベルが目安です。
コンビニや飲食店での接客であれば、日本語能力試験(JLPT)のN3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる)以上のレベルがあるとスムーズです。バックヤード業務であればN4レベルからでも採用可能です。
まとめ
2024年に外国人労働者が230万人を超えたというデータが示す通り、留学生採用はもはや「特別なこと」ではなく、企業の存続に欠かせない「標準的な戦略」となっています。2026年度からのルール厳格化など、法規制の変化には注意が必要ですが、正しく管理すればこれほど心強い戦力はありません。
今回の要点をおさらいします。
外国人労働者数は過去最高を更新中。留学生は貴重な採用ターゲット。
週28時間制限は「連続する7日間」で判定。2026年からは審査も厳格化。
在留カードはICチップまで確認し、不法就労リスクを徹底排除する。
異文化を尊重し、視覚的なマニュアルで教育を効率化する。
統計データや法律は常に更新されます。昨日の「当たり前」が今日の「違反」になる可能性もあるため、常に最新情報に基づいた管理が求められます。
自社に最適な採用ターゲットの選定や、トラブルのない労務管理体制の構築について、まずは現状の課題を整理するところからお気軽にご相談ください。
【注釈・参考】
厚生労働省:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
出入国在留管理庁:資格外活動許可について
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