「時給を上げたのにフリーターからの応募が全く来ない」「採用してもすぐに辞めてしまう」と悩んでいませんか?人員の入れ替わりが激しい時期、安定して働いてくれるフリーターは喉から手が出るほど欲しい存在ですよね。
しかし、ライバル企業も多いため、ただ条件を出すだけでは選んでもらえません。本記事では、最新のデータをもとにフリーターが本当に求めている条件や、応募率を高める原稿作成のコツを分かりやすく解説します。
本記事は採用マーケティングや求人広告運用の知見をもとに、厚生労働省などの公的機関が発信する雇用指針や統計データを参照しながら作成しています。
フリーター採用が難しい理由と現状の市場
「フルタイムで週5日働いてほしい」という企業側の願いとは裏腹に、フリーター採用の競争率は年々高まっています。多くの企業が「即戦力」を求めて同じ層を奪い合っているのが現状です。
採用競合が非常に多い
フリーターは学生や主婦層に比べて勤務時間の融通が利きやすく、企業にとっては「最も欲しい人材」です。
そのため、コンビニ、飲食店、物流倉庫など、あらゆる業種がターゲットにしています。大手チェーンが時給を10円単位で競い合っている中で、中小企業が単純な条件比較だけで勝つのは非常に困難な状況と言えるでしょう。
時給の高さだけでは選ばれない
「時給を1,200円から1,300円に上げたのに反応がない」というケースは珍しくありません。今の求職者は、給与の高さと同じくらい「自分の生活スタイルに合うか」を重視しています。
厚生労働省の「令和5年パートタイム・有期雇用労働者等基本調査」などを見ても、賃金水準は上昇傾向にありますが、それだけで定着率が上がるわけではないことが分かります。
フリーターの多様な働き方
一言でフリーターと言っても、その背景は様々です。「夢を追いかけながら合間に働きたい人」「正社員を目指す前のステップとして働く人」「人間関係のストレスを避けたい人」などが混在しています。
これらすべての層に響く万能な求人は存在しません。自社がどのタイプの人をターゲットにするのかを明確に決めることが、採用成功への第一歩となります。
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フリーターの3つのタイプとそれぞれの志向
ターゲットを絞るためには、フリーターがどのような動機で仕事を探しているのかを知る必要があります。大きく分けて3つの志向があることを理解しておきましょう。
ガッツリ稼ぎたい「収入重視派」
生活費のすべてをアルバイトで賄っている層です。このタイプは「月収18万円以上可能」といった具体的な総額提示や、残業代の全額支給、深夜手当の有無を厳しくチェックします。
社会保険への加入がスムーズかどうかも大きなポイントです。また、掛け持ち(ダブルワーク)を前提としている場合も多いため、副業OKの明記が効果的です。
私生活を優先したい「自分時間重視派」
趣味や資格勉強、劇団活動など、仕事以外に本分がある層です。彼らが最も嫌うのは「急なシフト変更」や「強制的な残業」です。
週3日からOK、1日4時間からOKといった柔軟性はもちろん、固定シフト制で予定が立てやすいことをアピールすると反応が良くなります。仕事内容は「責任が重すぎないこと」を好む傾向にあります。
将来を模索中の「正社員予備軍派」
今はフリーターだけど、いずれは安定したいと考えている層です。このタイプには「正社員登用実績あり」という言葉が非常に強く響きます。
過去3年間で何名が正社員になったかという具体的な数字を出すことで、信頼感が増します。単なる作業だけでなく、スキルが身につく工程や研修制度が充実していることを伝えると、意欲の高い層が集まります。
応募が集まる求人原稿の具体的な作成ポイント
志向が分かったら、次は原稿に落とし込みます。フリーターが「ここで働きたい」と思う原稿には、共通のルールがあります。
職種名と仕事内容を具体化する
「軽作業」や「店番」といった曖昧な表現は避けましょう。求職者は「自分にできるかどうか」を不安に思っています。
このように、作業の難易度がイメージできる書き方を徹底します。数字を使って「1時間に10件程度の対応」のようにボリュームを伝えるのも有効です。
働き方のパターンを複数提示する
フリーターは自分の生活に当てはめて求人を見ます。そのため、具体的なシフト例をいくつか記載しましょう。
タイプ | 勤務例 | 月収目安 |
|---|
ガッツリ派 | 週5日(実働8h) | 200,000円〜 |
掛け持ち派 | 週3日(深夜4h) | 70,000円〜 |
プライベート派 | 週4日(10時〜15時) | 90,000円〜 |
このように表形式で記載すると、一目で自分に合った働き方が見つかります。
現場のリアルな雰囲気を伝える
人間関係を不安視するフリーターは多いため、職場の写真やスタッフの声を必ず入れます。特に「20代〜30代が中心」「フリーターから社員になったAさん」といった属性情報は安心感を与えます。
また、福利厚生として「交通費全額支給」や「まかない有り」は、実質的な手取り額を増やす要素として非常に高く評価されます。
統計データから紐解く「選ばれる待遇」
アンケートデータ(マクロミル調査等)を参考にすると、フリーターが求人を探す際に重視する項目には明確な順位があります。これらを網羅することが重要です。
1位:交通費の支給(約60%が重視)
フリーターにとって、通勤にかかる費用は死活問題です。時給が少し高くても、交通費が自己負担であれば応募を控えます。
「全額支給」なのか「規定内支給(月2万円まで等)」なのかをはっきりと明記しましょう。これがあるだけで、検索のフィルターに残る確率が格段に上がり、母集団形成に大きく寄与します。
2位:シフトの自己申告制(約55%が重視)
「1週間ごとに提出」「スマホアプリで申請」など、シフトの出しやすさは大きな武器になります。特にプライベートを重視する層にとって、固定シフトはハードルが高いものです。
急な用事や体調不良時に「お互い様の精神でカバーし合える環境かどうか」を文章で補足しておくと、精神的なハードルが下がり応募に繋がります。
3位:昇給制度の明確化(約30%が重視)
「頑張っても時給が変わらない」という環境では、長く働こうとは思えません。「●●ができるようになったら10円アップ」という明確な基準を設けることが大切です。
たとえ少額でも、自分の頑張りが評価される仕組みがあることは、定着率(離職防止)にも直結します。評価シートの有無などを記載すると、真面目な層に響きます。
採用成功のためのチェックリスト
最後に、現在の募集内容がフリーターに響くものになっているか、以下のリストで確認してみましょう。
募集条件の再点検
以下の5つのポイントが守られているか確認してください。
ターゲット(志向)が1つに絞られているか
職種名だけで仕事の難易度が伝わるか
収入例が3パターン以上記載されているか
交通費や福利厚生が具体的に書かれているか
職場の人間関係がわかる写真があるか
応募から面接までのスピード対応
フリーターは同時に3〜4社の求人に応募していることが一般的です。応募から連絡まで「24時間以内」に対応しないと、他社に決まってしまいます。
採用環境の整備
自社の魅力が伝わらないのは、原稿だけの問題ではないかもしれません。
<求人広告チェックリスト>
□ 最寄り駅からの徒歩分数を明記したか
□ 髪型・髪色の規定を具体的に書いたか
□ 研修期間中の時給を明記したか
□ 実際に働いている人の年齢層を書いたか
□ 室内禁煙などの就業環境を書いたか
よくある質問
Q. 最低賃金ギリギリの時給でもフリーターは採用できますか?
A. 可能です。ただし、時給以外の「圧倒的なメリット」が必要です。「シフトが100%自由」「まかないが豪華」「髪型・ネイル自由」など、金銭以外の価値を前面に押し出してください。また、未経験者が安心して始められる教育体制を具体的にアピールすることで、時給重視ではない層を採用できる可能性があります。
Q. 応募は来るのですが、面接のドタキャンが多いです。
A. 応募受付後のコミュニケーション不足が原因かもしれません。応募後すぐに電話やメールで接触し、面接の目的(顔合わせ程度でOKなど)を伝えてハードルを下げましょう。また、リマインドメールを前日に送るだけでも、来場率は20%以上改善することがあります。
Q. 正社員登用制度はあったほうが良いですか?
A. はい、記載することをお勧めします。実際に登用する予定が当面なくても、「頑張り次第でステップアップの道がある」という事実は、働くモチベーションや安心感に繋がります。厚生労働省の「キャリアアップ助成金」などを活用し、制度を整えることも検討してみてください。
Q. 求人原稿に写真はいくつ載せるべきですか?
A. 最低でも3枚、できれば5枚以上が理想です。集合写真だけでなく、実際に作業をしている手元の写真や、休憩スペースの様子など、働く環境が立体的に伝わる写真を選んでください。フリーターは「どんな人と働くか」を非常に気にします。
まとめ
フリーター採用を成功させるためには、単に時給を上げるだけでなく、求職者の「志向」に合わせた情報を発信することが不可欠です。
ただし、統計データはあくまで平均値です。地域や職種によって、フリーターが求めるものは微妙に異なります。画一的な原稿を使い回すのではなく、目の前にいる自社のスタッフの声を聞き、自社独自の魅力を再定義することが、結果として一番の近道になります。
まずは現状の求人原稿を整理し、ターゲットに刺さる言葉が並んでいるかを見直すところから始めてみましょう。
【注釈・参考】
厚生労働省:短時間・有期雇用労働者対策基本方針
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001635719.pdf
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