「ずっとanを使っていたけれど、サービス終了後はどこに求人を出せばいいの?」「若手を採用したいのに、代わりの媒体が見つからない……」そんな不安を抱えていませんか?長年親しまれてきた求人媒体がなくなるのは、採用担当者にとって大きな死活問題ですよね。
求人広告を取り扱う弊社にとっても、衝撃的なニュースでした。
本記事では、an終了の背景をおさらいしつつ、これからの時代にフィットする媒体選びのステップや、主要な求人サイトの特徴をわかりやすく解説します。
本記事は採用マーケティングや求人広告運用の知見をもとに、厚生労働省など公的機関の情報を参照しながら作成しています。
「an」サービス終了の概要と市場への影響
2019年11月25日、多くの企業に愛されたアルバイト求人情報「an」がその歴史に幕を閉じました。47都道府県で20万件以上の求人を掲載し、LINEバイトとの連携など若年層に強い基盤を持っていただけに、終了による影響は小さくありません。
これからは、単に「有名な媒体だから」という理由で選ぶのではなく、自社のターゲットがどこにいるのかを見極める力が、これまで以上に求められるようになります。
anが提供していた4つの主要サービス
anは、WEBサイト版、スマホアプリ版、採用ナレッジを提供する「an report」、そしてLINE利用者へリーチできる「LINEバイトへの情報提供」の4軸で展開していました。
特にLINEとの連携は、10代から30代の若年層への圧倒的な訴求力を誇っていました。これらのサービスがすべて停止したことで、企業は「若年層とどう接点を持つか」という課題に直面しています。
若年層採用における「an」の強み
anの最大の武器は、若者に人気のあるタレントを起用した大規模なプロモーションと、スマホ特化型のインターフェースでした。
利用企業の多くは、10代〜30代をメインターゲットとしており、流行に敏感な層へのアプローチに成功していました。サービス終了後は、この「若年層へのリーチ」をどの媒体で補完するかが、採用成功の分かれ道となります。
サービス終了後の求人倍率と市場動向
anの終了後も、アルバイト市場の人手不足感は続いています。厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、令和元年前後の有効求人倍率は1.6倍前後と高い水準で推移していました。
媒体が一つ減るということは、残った主要媒体に応募者が集中するか、あるいはSNSや検索エンジンへ分散することを意味します。採用競合に勝つためには、より精度の高い原稿作成が必須です。
参照:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和元年11月分)
失敗しないための新しい媒体選定ステップ
「an」の代わりを探す際、いきなり掲載金額だけで比較するのは危険です。ターゲットがいない場所に広告を出しても、1円も回収できないからです。
まずは自社が「誰を」採用したいのかを言語化し、そのターゲットが日常的にどのアプリやサイトを使っているかを分析することから始めましょう。正しい手順で選定すれば、無駄なコストを抑えて質の高い応募を集めることが可能です。
ステップ1:必要な人材と条件を明確にする
まずは、どのような人を雇いたいのか「仕事内容」「求めるスキル」「募集条件」を書き出します。 応募が集まる求人広告のポイントは次の5つです。
職種名を具体化する
仕事内容に数字を入れる
給与を明確にする
検索キーワードを意識する
職場環境を具体化する これらを整理することで、出すべき媒体の方向性が見えてきます。
ステップ2:ターゲットの属性を絞り込む
ステップ1をもとに、ターゲットの年齢、性別、現在の職業(学生・主婦・フリーターなど)を想定します。
たとえば、18歳の大学生と40代の主婦では、仕事を探す時に使うキーワードも時間帯も異なります。anが得意としていた10〜30代を狙うなら、スマホ特化型の媒体やSNSとの親和性が高いサービスを優先的に選ぶのが定石です。
ステップ3:ターゲット層が多い媒体を選ぶ
最後に、ターゲットが最も集まっている媒体を決定します。
<求人広告チェックリスト>
□給与は地域相場に合っているか
□仕事内容は具体化されているか
□勤務地は正確か
□ターゲットが使う媒体か これらを確認し、媒体のユーザー属性データと比較します。
若年層なら「マイナビバイト」や「バイトル」、幅広い層なら「タウンワーク」といった具合に使い分けましょう。
主要な代替媒体の特徴と使い分け
anに代わる選択肢として、現在主流となっている4つの媒体・サービスを紹介します。それぞれ得意とする年齢層や掲載方法が異なるため、自社の募集案件にどれが最適か比較してみましょう。
特に、最近では「検索エンジン型」のインディード(Indeed)が台頭しており、これまでの「枠を買う」掲載方法とは異なる運用スキルが重要になっています。
タウンワーク:圧倒的な知名度と網羅性
リクルートが運営するタウンワークは、フリーペーパーとWEBの両方で展開していました。ターゲットは10代から50代以上までと非常に幅広く、地域密着型の採用に強いのが特徴です。
求職者のリーチ比率は「紙39%:ネット61%」となっており、ネットを使わない層にもアプローチできる点が、anにはなかった強みと言えます。
マイナビバイト・バイトル:若年層への訴求
この2つの媒体は、anと同様にWEB・アプリ特化型で、10〜20代の若年層をメインターゲットとしています。
項目 | マイナビバイト | バイトル |
主な層 | 学生・フリーター | 学生・パート |
特徴 | マイナビブランドの信頼 | 動画等で職場の雰囲気が伝わる |
どちらもスマホでの操作性が高く、若手を採用したい企業にとってはanの直接的な乗り換え先として有力な候補になります。特に10代〜20代へのアプローチについては、テレビCMやSNS広告を積極的に展開しているため、常に新しいユーザーが流入しているのが強みです。
Indeed:検索エンジン型の新しい選択肢
Indeed(インディード)は、ネット上のあらゆる求人を集約する検索エンジンです。クリック課金型という仕組みを採用しており、無料で直接投稿することも可能です。
特定の媒体に依存せず、ユーザーが検索したキーワードに合わせて求人が表示されるため、具体的な職種名(例:既存顧客中心の法人営業)で募集を出す際に非常に高い効果を発揮します。
応募率を劇的に変える「原稿の具体化」
媒体を選んだ後に最も重要なのが、求人原稿の中身です。「an」のような大手媒体に出しても、内容が薄ければ他の求人に埋もれてしまいます。
求職者は自分の生活がどう変わるかをイメージして応募します。曖昧な表現を排除し、事実に基づいた具体的な情報を記載することで、ミスマッチを防ぎつつ応募数を増やすことができます。
職種名の工夫で検索に引っかける
求職者は自分のやりたい仕事をキーワードで検索します。
悪い例:営業業務
良い例:既存顧客中心の法人営業(土日祝休み)
このように、仕事の内容だけでなく、求職者がメリットと感じる条件を職種名に盛り込むのがコツです。これだけで、検索結果一覧でのクリック率が大きく変わります。
数字を使って仕事の負担を可視化する
「忙しい職場です」と書くよりも、「1日平均20名のお客様を対応します」と書く方が、求職者は安心します。
重いものを持つ仕事なら「10kg程度の荷物の積み下ろし」、移動があるなら「1日の運転時間は約2時間」など、具体的な数字を入れましょう。数字は誰にとっても共通の物差しになるため、信頼感が格段にアップします。
職場の雰囲気は「誰が」いるかで伝える
「アットホームな職場」という言葉は、今では具体性に欠けると敬遠されがちです。
代わりに、「20代の大学生が5名、40代の主婦さんが3名活躍中」「休憩時間はみんなでスマホゲームの話をしています」など、具体的にどんな人がどんな過ごし方をしているかを書きましょう。自分と似た属性の人がいるとわかるだけで、応募のハードルはぐっと下がります。
長期的な採用力を高める自社運用のコツ
「an」のような外部媒体への掲載は、一時的な集客には向いていますが、掲載を止めれば応募も止まります。これからの時代は、自社のホームページ内に採用ページを持つなど、資産となる採用活動を並行して行うことが大切です。
また、一度不採用になった方や退職した方との繋がりを維持する「タレントプール」の考え方も、採用単価を下げるために有効な手段となります。
自社採用サイトの重要性
最近の求職者は、求人媒体で気になる仕事を見つけると、必ずと言っていいほどその会社の公式サイトを確認します。そこで求人媒体以上の情報(社員インタビューや一日の流れなど)が充実していれば、応募の決断を後押しできます。
Indeedなどの検索エンジンは自社サイトを直接読み取ってくれるため、自社サイトの充実は広告費の削減にも直結します。
採用データの蓄積と振り返り
「どの媒体から何人応募が来て、何人採用できたか」というデータを1ヶ月単位で記録しましょう。anが終了した時のように、市場環境が変わってもデータがあれば次の打ち手が早く打てます。
採用単価(1人採用するのにかかった費用)を算出し、投資対効果が良い媒体に予算を集中させることで、限られた採用予算を最大限に活用できます。
既存スタッフによる紹介(リファラル)の活用
最も信頼性が高く、コストがかからないのが「紹介」です。既存スタッフに「誰かいい人いない?」と声をかける仕組みを作るだけで、採用コストは大幅に下がります。
紹介料としてインセンティブを支払う制度(例:採用1人につき1万円支給など)を導入している企業も増えています。媒体に頼り切らない、複数の採用ルートを持つことが安定した採用の鍵です。
よくある質問
Q. anの代わりに一番おすすめの媒体はどこですか?
A. ターゲットによりますが、若年層なら「バイトル」や「マイナビバイト」が筆頭候補です。 ただし、募集地域や職種によっては「タウンワーク」のほうが圧倒的に強い場合もあります。まずは「誰を採用したいか」を固めた上で、各媒体の担当者にその地域の最新のデータ(有効求人倍率や応募単価)を確認することをお勧めします。
Q. Indeed(インディード)は無料で本当に採用できますか?
A. はい、無料で掲載し採用まで至るケースは多々あります。 ただし、無料枠は新しい求人にどんどん押し流されてしまうため、長期間募集を続ける場合や急ぎで採用したい場合は、1日数百円からの有料広告(クリック課金)を併用するのが一般的です。原稿のキーワード設定をしっかり行えば、無料でも十分に戦えます。
Q. 求人原稿を修正するタイミングはいつが良いですか?
A. 掲載開始から1週間たっても応募がゼロ、あるいはPV(閲覧数)が極端に少ない時です。 その場合は「職種名」が検索されていないか、「給与」が周辺相場より低い可能性があります。1ヶ月ずっと同じ内容で放置せず、数字を見ながら週単位でブラッシュアップしていくのが採用成功への近道です。
Q. LINEバイトはanが終わっても使えますか?
A. anが提供していた情報は終了しますが、LINEバイト自体は存続しています。 現在は別のパートナーからの情報提供や直接投稿によって運営されています。若年層へのアプローチとしてLINEを使いたい場合は、現在のLINEバイトがどのサービスと連携しているかを確認し、そちら経由で掲載を検討するのが良いでしょう。
まとめ
本記事では、2019年11月の「an」サービス終了を機に、これからの媒体選定や採用のポイントについて解説しました。要点を整理すると以下の通りです。
anの終了により、特に若年層採用のルートを見直す必要がある
媒体選びの前に「ターゲット」を明確にする3ステップが不可欠
タウンワーク、マイナビ、バイトル、Indeedにはそれぞれ得意分野がある
「職種名」や「数字」を意識した原稿作成が応募数を左右する
求人媒体のデータやユーザー属性は日々変化しており、過去の成功体験が通用しなくなることもあります。実際に、40年以上求人広告業界に携わってきた弊社でも、「このパターンの場合は、これが勝ち筋だ」という、経験から裏打ちされた採用手法で失敗するケースも増えてきました。日々、目まぐるしくアップデートされる現在の情報社会においては、価値観の変化もとても速いのです。そのため、統計データはあくまで目安であり、自社の条件やエリアに100%合致するとは限りません。だからこそ、特定の媒体に固執せず、複数の手法を試しながら自社に合った「採用の方程式」を見つけることが重要です。まずは現状の求人原稿を整理するところから、お気軽にご相談ください。
【注釈・参考】
パーソルキャリア株式会社 ニュースリリース:アルバイト求人情報サービス「an」終了のお知らせ
https://www.persol-group.co.jp/ir/upload_file/m005-m005_03/20190801a.pdf
関連記事
アルバイト採用に使える求人媒体の種類と失敗しない選び方のポイント https://www.adeagle.co.jp/saisentan/article/arbeit-media-select
Indeedの求人掲載費用を解説!無料と有料の使い分けで応募を増やす https://www.adeagle.co.jp/saisentan/article/indeed-job-posting-cost-guide
求人広告のキーワード最適化ガイド|応募を増やす選定方法と注意点を徹底解説 https://www.adeagle.co.jp/saisentan/article/job-ads-keywords